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歯周病によってインスリン抵抗性が惹起される分子メカニズム-英デンタルクリニック・千葉県柏市新柏、歯科医院
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歯周病によってインスリン抵抗性が惹起される分子メカニズム

局所の感染症である歯周病によってなぜ末梢組織でインスリン抵抗性が惹き起こされるのであろうか。 その鍵を握るのが脂肪組織である。近年、脂肪組織には多量のマクロファージが浸潤・集積していることが明らかにされた。著明な肥満者で脂肪細胞が分解され放出される遊離脂肪酸や歯周病菌の内毒素存在下では、脂肪細胞とマクロファージはお互いに作用しあい多量のインターロイキン6(IL-6)や単球遊走活性化因子1(MCP-1)といったサイトカインを放出する。MCP-1は、マクロファージに対する走化性因子であり脂肪組織へのさらなるマクロファージの集積を促進し、一方IL-6は門脈を介して肝臓に流入し肝臓からの炎症マーカーであるC-反応性蛋白(CRP)の産生を促進するのもと考えられる。 事実、重度歯周病患者ではCRP値が上昇しており、治療によって低下することがあきらかにされている。すなわち、歯周病菌の内毒素により活性化されたマクロファージは脂肪組織に集積し、そこからのアディポサイトカイン産生性をさらに進させ炎症反応を憎悪させるという図式が成り立つ。近年CRPの軽度な上昇、すなわち軽微な炎症を慢性的にかかえておくことで将来的に心筋梗塞を発症する危険性が上昇することが明らかにされ、CRPが心筋梗塞発症の予知マーカーとして有用であると考えられるようになったことから、歯周炎症によってもCRP値が上昇するという事実は大変興味深い。

肥満・糖尿病と歯周病の奇妙な三角関係

このように肥満・糖尿病者で高頻度に重症化する歯周病が逆に軽微な慢性炎症としてインスリン抵抗性を惹き起こすことから、これら3つの疾患は互いに密接に関連しているものと理解しておく必要がある。

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