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国際グラフ 2006年3月号

国際グラフ社より取材を受けました。(国際グラフ 2006年3月号 掲載)

対談  かみむら歯科医院 院長  上村 英之 ゲスト 角 盈男(野球評論家) 自分の歯で食べる喜びを実感してほしい 訪問歯科診療の導入で地域に健康の和を



平成3年の開業以来、地域密着で活躍されているかみむら歯科医院さん。本日は(社)越谷市歯科医師会の理事も務めていらっしゃる院長にお話を伺ってまいります。まずは診療科目についてお話をお聞かせ願えますか。

上村
虫歯や歯周病の治療・予防といった一般歯科はもちろん、歯科口腔外科や審美歯科、スポーツ歯科などお口に関することはできる限り対応しようとの姿勢で取り組んでおり、乳幼児からお年寄りまで診察させて頂きます。加えて昨年4月から地域の皆さんに少しでも喜んでもらえればと訪問歯科診療にも力を注いでいます。


幅広く精通しておられるのですね。訪問歯科診療に力を入れるようになったそのものの理由といいますと。

かみむら歯科医院 院長  上村 英之上村
訪問診療という言葉そのものは最近ようやく浸透してまいりましたが、歯科医師で実際に取り組んでいるのは極端に少ないのが現状です。この地域ではコンビニエンスストアやハンバーガーショップよりも歯科医院が圧倒的に多いと言われていますが、ご自宅で歯科医院に行けず苦しんでおられる方がたくさんいるという実情に直面した私は、少しでもそういった方々のお力になることができればと思いまして。




そのような取り組みは本当に素晴らしいことだと思います。範囲としてはどの辺りまでカバーされるのですか。

上村
厚生労働省で半径16㎞以内と定められており、地元の越谷はもとより草加、八潮、吉川、三郷、春日部、岩槻まで足を伸ばしています。このように範囲としては広いですが、つまりそれだけ歯科にいけない方が多いという証拠です。


ところで、訪問診療は自宅や施設まで足を運んで行うわけですが、治療において制限などはあるのでしょうか。

上村
いえ、歯科医院で行うほとんどの治療が可能でして、対象としましては先程も申し上げたように通院したくてもできない方、例えば要介護の高齢者や身体に障害がある方などです。患者さんの自宅あるいは施設まで当院所有の訪問車で伺って虫歯や歯周病の治療を行うわけですが、サービスを利用する大半が高齢者ということから入れ歯の作成・修理・調整、それに口腔内のケアなどにも努めており、感染症の予防も積極的に取り組んでいます。


どのような流れで進められるのですか。

上村
まず患者さんからご相談を受けて検診させて頂きます。その後お口の状態や全身をチェックして患者さんの健康状態を把握し、充分なカウンセリングの後で治療方針を固め、納得して頂いた上で最善の方法で治療を進めていきます。


高齢化がますます進む中で今後ニーズは増える一方でしょうから、訪問歯科診療が一般に広まればいいですね。

上村
そうですね。特にご高齢の方は口腔ケアに対する意識が低いため、口腔内の細菌が気管から肺に入り込んで肺炎を起こす誤嚥性(ごえんせい)肺炎や、飲食物の飲み込みが困難になる嚥下(えんげ)障害などにかかりやすくなります。それだけに一刻も早く浸透させたいと思っています。


聞くところによると、院長は他にも患者さんの口腔内の意識を高めるために様々な教室や勉強会などを頻繁に行っていらっしゃるそうですね。

上村
はい。何よりもまず口腔内の意識を高めてもらわないことには本当の意味での予防には繋がりませんから、訪問エリアの介護事業所などを中心に「口腔ケア教室 」を開催したり無料歯科検診を行うなどして多くの方のご理解を得ています。


お話を伺っていると、患者さんの口腔内の健康を第一に考えているということがひしひしと伝わってきます。それでは将来の展望、夢を最後にお聞かせ願えますか。

上村
角さんもおっしゃられましたが、年を重ねるごとに高齢化はますます深刻の度合いを増してきます。そういった中で在宅診療を希望する患者さんもどんどん増えるのは明白ですが、この地域のみならず日本全体を見ても往診に応じられる歯科医院は約2~3%というのが現状であり、とても訪問歯科診療を希望するすべての患者さんに応えることはできません。今後は多くの歯科医院が訪問診療に取り組み、歯の健康はもとより口腔内の疾病予防、ひいては健康の保持・増進を目標にいつまでも自分の歯で食べる喜びを多くの方に提案していくべきだと考えていまして、そのためにはまず私自身が行動を起こすことで少しずつでも状況が改善していけばと願っています。


歯は健康の源ですから、院長にはより一層ご尽力して頂きたいと私も切に願います。そして地域に根差したご活躍をこれからも続けてください。

国際グラフ掲載写真2

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